
念願の穀物庫が完成しました。
現代サバイバルにおいて、たとえ何が起きても食料だけは確保できている状態を「安心」と呼びます。
実際ここ二三年、世界がインフレに見舞われたにもかかわらず、穀物が手元にあることで貨幣では変えられぬ「持てる強み」を実感したことも大きくあります。こと日本においては長いデフレから脱却したと思ったら急に物価高に見舞われている現状、私たちは何をもって身を守るか?をあらためて考え直す時期にあると言っていいでしょう。何も考えなければ格差は広がり、その穴を埋めるためにさらに走り続けることが予想されます。
自分の大切な時間をこれ以上何ものかに捧げていいのでしょうか?
計4回の土壁塗りは想像をはるかに超える重労働でした。あら壁塗り、直し、大まかなところは教わりながら自分でできたものの、仕上げは土壁塗りを愛する職人さんたちと一緒に作業しました。壁の厚みは10数cmとなり、その厚みゆえ、中にいるとひんやり土穴にいる感覚です。
土の持つ調温、調湿効果によって保たれる空間、、、入ると気持ちよすぎて穀物庫を止めて施術室にしようかと思ったほどです。戸は古い門戸をリノベーションしてもらい、新たに穀物庫の扉として再生されました。木工屋タイキの製作です。

さてこの土、近くの縄文土器の採掘現場から出た良質な土を分けて頂いたものです。この地域は掘れば縄文土器が出てくると言われるほどに、縄文時代の文化、生活が身近にありました。そんな縄文人が生活していた土の層を壁にすることによって、縄文人が見ていた同じ景色、香り、音などを時を超えて共有できる、、、
人はロマンを燃料に生きる動物
土が匂いを運んでくれる